暴力列島のあらすじ
主人公は高寅組若頭である菊池(今井雅之)です。
彼はムショに入ること4年、ようやく刑期を終えて帰ってきたのです。
ですがそこに彼の居場所はありませんでした。
高寅組と敵対している双葉組との関係を持つ樋口(勝矢)が若頭となっており、更には腹心だった島村(山口祥行)は彼の妻と駆け落ちしてしまっていたのです。
初めは落ち込んでいた菊池ながらも、そのままの状況に黙っていられるはずもありません。
周りが皆敵となった今、どうすれば勝機があるのでしょう。
このままだと高寅組と双葉組は兄弟の契りを結んでしまい、より関係性が強固になってしまいます。
そして若頭となった樋口は更に勢力を伸ばしていくことに、とはいえ菊池は今や分家です。
■暴力列島 予告
https://youtu.be/1nlH8P6le9M
キャスト紹介
主人公の菊池を演じるのは今井雅之です。
いい意味でムショ帰りが似合う眼光鋭い役者、まさかの状況に憤怒する姿はおそろしいばかりです。
ただ、どんどんと地に落ちていく姿は哀れで今井を好きな方だとツライ状況かもしれません。
でもだからこそ、最後まで見ていただきたいのです。
山口祥行に勝矢と豪華ラインナップで脇を固めていて、一癖も二癖もあるこれらの人達と戦い再び自身の地位を取り戻していく姿が中々に見ごたえがあるのです。
その他、古井榮一、猪瀬孔明、山本修、舘昌美、宮崎貴久、冨田じゅん、雨宮琴音、本宮泰風、小沢仁志、等出演しています。
監督は渋谷正一、「暴力列島1・2」と2作品構成ですべてを失った男が絶望し立ち上がっていく様を克明に描きます。
村上和彦の、日本極道史「殺しの仁義塚」という原作を持つ作品となっています。
暴力列島の見どころ
なんと言っても、組も妻も部下もすべてを失ってしまった主人公がどのようにまたのし上がっていくか、そこに見どころのある作品です。
だからこそどん底の様子も克明に描かれます。
どれだけの地位を手に入れていたとしても崩れるときには一気に崩れ落ちていってしまう、諸行無常の世界観はヤクザ映画は特に興味なかった方でも十分に、入り込むことができるはずです。
ヤクザの世界だって賢くないと生きていけない、それにどんな境遇にあろうと諦めずに頑張っていれば夢を実現することは可能である、そんな教訓が伝わってきます。
憤怒の表情というものの意味が分かりました。
主人公の菊池を演じる今井雅之の演技の凄さにも感心させられます。